国際線CAから税理士へ|佐下谷彩代さんの転職体験談

佐下谷 彩代 | Sayo Sakatani

CA勤務歴
日本航空3年(国内線1年・国際線2年)

転職歴
①メーカー営業(精密機器メーカー・5年)
②人事採用担当(HRテック企業・半年)
③税理士(税理士法人・8年)

1.転職を考え始めたきっかけや、当時の悩み・迷いがあれば教えてください
実は新卒の就職活動では、航空業界ではなく商社やコンサル、人材業界など営業職を中心に見ていました。しかし一方で、昔から心のどこかにあったCAという仕事への憧れもあり、このまま挑戦しないまま社会人になることに少し迷いがありました。最終的に「今しかできない経験をしてみよう」と考え、ご縁をいただいた日本航空へ進むことにしました。

CA時代は本当に刺激的で、尊敬できる同期や先輩にも恵まれ、とても充実した日々を過ごしていました。一方で、働く中で「もっと長く深くお客様に関わる仕事がしたい」「サービスだけではなく、ビジネスや経営の側面も見てみたい」という気持ちが少しずつ強くなっていきました。

航空業界は今でも大好きですし、社内でいつか地上に降りてビジネスサイドにかかわるという選択肢もありましたが、そのタイミングが見えないこともあり、第二新卒というタイミングを活かして社外へ飛び出してみることにしました。

2.どんな軸(価値観や興味)をもとに転職先を選びましたか?
私が転職活動を始めた頃は、ちょうどリーマンショック直後で、多くの企業が中途採用を止めていた時期でした。

そのため、条件を細かく絞るというよりは、「営業としてスピード感をもって成長できること」「CA時代に培ったコミュニケーション力を活かせること」を軸にしていました。

最終的に、精密機器メーカーのキーエンスで新規事業の営業職に転職しました。もともと男性営業が中心だった組織で、重点顧客向けのプリセールス部隊を立ち上げるタイミングだったこともあり、未経験ではありつつも接客経験や対人力を評価していただけたのだと思います。

その後、人事採用の仕事も経験しましたが、転職の軸としては「専門性を持って、経営のサポートを、またそのお客様の人生に長く関われる仕事がしたい」という点は一貫していたのかなと思います。そんな文脈で実家の家業にも通じていて、以前から興味のあった税務の世界へ進みました。

仕事は長く続けたいと思っていたので、女性でも第一線で長く続けられること、またライフステージが変わっても自分自身の裁量で働き方や働く場所を柔軟に変えられるというのが士業の魅力でもありました。

現在は資産税を中心に、国際資産税・国際相続の分野に携わっています。   

3.CA時代のどんな経験やスキルが、転職後に役立ちましたか?
CAの仕事は、短い時間の中で相手の状況や感情を察知し、安心していただく仕事だと思っています。これは営業職時代も現在の税理士業務でも、本当に役立っています。

特に現在の仕事では、富裕層であるお客様の資産やご家族、将来のことなど、非常にセンシティブなお話を伺う機会も多いため、「この人なら話しても大丈夫」と思っていただける信頼関係づくりがとても大切です。

また税務申告は法律上決められた期限のなかで進めなければいけない事項がかなり多いので、多忙な経営者であるお客様の性格や行動パターンなどを踏まえて、最適なコミュニケーションをとること、必要な事前準備を行っておく臨機応変さはCA時代に鍛えられた強みなのではないかなと感じています。  

4.今振り返って、「転職してよかった」と思う瞬間は?
それぞれの転職で、自分の世界が大きく広がったことです。

CA時代はサービスの最前線でコミュニケーション能力を、営業時代は数字やビジネスの厳しさコミットする楽しさを、税理士としては専門性と信頼の重みを学びました。出会う人々もこれらの転職を経て得たつながりやご縁が紡いでくれています。

一見バラバラなキャリアに見えるかもしれませんが、振り返るとすべてが今につながっている感覚があります。 また、転職を通じて「自分はどんな人とどんな仕事をしたいのか」を考え続けてきたことで、少しずつ自分らしい働き方に近づいていると感じています。

5.今後、どんなキャリアや生き方を目指していますか?
現在は独立準備を進めており、富裕層の資産税や国際税務を中心に、より一人ひとりのお客様と深く関われる仕事をしていきたいと思っています。

単なる税務申告だけではなく、ご家族の想いや次世代への承継、海外との関わりなど、その方の人生全体に寄り添えるような存在になることが理想です。

また、今後はフィランソロピー分野の公益法人の設立支援など、「お金をどう残し、どう社会へ還元していくか」というテーマにも関わっていきたいと考えています。

6.転職を考えるCAの方に伝えたいこと、アドバイスはありますか?
CAの強みは接客力やコミュニケーション力だけではなく、状況判断力、気配り、責任感など多岐にわたっており、周囲にもそれを体現して活躍している同期や同僚がたくさんいます。

私自身、転職を繰り返す中で不安になることもありましたが、その時々で真剣に考えて選んできた経験や結果は、必ず今につながっています。

「今の経験が無駄になるのでは」と思う必要はなく、キャリアは点ではなく線になっていくものだなと感じています。  

7.その他、伝えたいことがあればご自由にご記入ください。
CA時代に出会った同期や先輩方とは、今でも大切なご縁が続いていて、現にそういったご縁で今この記事を書かせていただいています。もしあの時、憧れだった航空業界への挑戦を諦めていたら、今の自分はなかったと思います。

転職も含めて、キャリアには正解があるというより、「自分が納得できる選択を積み重ねること」が大事なのかもしれません。だからこそ、これからも新しいことを恐れず、自分らしい働き方を模索していきたいと思っています。 

関連記事

  1. 「とりあえずやってみる」から広がった、複業キャリア。CA転職ドットコム運営 中尾涼子の転職体験談

  2. CAから海外営業、そして秘書へ。森永 遥さんの転職体験談

  3. 子育てと両立するために。「自分らしく働く」を選んだ青地かおりさんの転職体験談

  4. CA転職ドットコム代表 藤岡裕美子の転職体験談

  5. 外資系CAから行政書士へ | 伴由佳さんの転職体験談